コミュニケーション 悩み・相談

注意するにもできない状況を解決した言葉の選択

私は、学校でも職場でも、今までほとんど人間関係で悩んだことはありませんでした。確かに周りではそれが大変だということを聞きますが、私が天然なのか、人に合わせるタイプなのか、ともかく人間関係では悩みという悩みがなかったのです。周りに溶け込めるのかなと思い始めたのは、初めて少しその問題が発生した時でした。会社に、ある1人の私より年上の男性が入社してきました。印象としては真面目で、緊張しているのかなと思う初日でした。しかし、彼の真面目さは度を超えていました。お辞儀はいつも45度を保ち、私が仕事をしていようが何をしていようが決して挨拶だけは立ち止り、お辞儀をし、手を両脇にそろえて「よろしくお願い致します」と言います。私の会社はちっぽけでアットホームなのでそこまで緊張しなくてもと思っていたのですが、それは後に緊張からの行為ではないとわかります。彼が入社して半年後も、まだその勢いは衰えなかったのです。礼儀正しいのは良いことですよね。しかし、あれほどまでに真面目が増してくると、私は段々不快感を感じ始めたのです。礼儀正しくて良いことだとわかってはいるものの、あの挨拶を目の当たりにすればこちらもそれだけのことをお返ししなければならないという謎の脅迫観念に駆られるのです。そういう人なのだとわかってからは軽くお辞儀をする程度でしたが、初めて挨拶を受けた時は思わず自分も作業を中断して立って挨拶をしました。また、それだけでは終わらず、私がその日の仕事を終えて帰宅しようとした時、入れ違いで彼が入社してきました。シフト制の会社です。その時、また例の挨拶をした後、座って靴を履いていたら、背後から気配を感じるのです。履き終わって後ろを振り返ると、銅像のように後ろに立っていて、私が靴を履き終わるのを見届けている彼がいました。その後、「お疲れさまでした」とまるで極道のようにお見送りされ、正直圧迫感と恐怖を感じました。後日、これはなんとかできないかと考えました。初めて真剣にです。彼は良かれと思ってしていることだろうけれど、それによって周りを不快にさせているのはいかがなものかと。しかし、問題は悪いことではないので注意ができないのです。ちょっとその空気が伝わればなと「その挨拶はいいんですよ~」というアピールをしてみましたが、かたくなな態度は変わらずにいました。そこで、効くか効かないかはわかりませんが、とりあえず言ってみようという言葉を考えました。その日、いつものように彼が挨拶をした後、私はこう言いました。「挨拶は「よっ!」くらいでいいですよ」と笑いながら伝えたのです。彼は去り際にしこたま困惑しながら「えっ、それはちょっと・・・」と言いながら去っていきました。そしたら、嬉しいことにそれが効いてくれたのか、それ以降威圧感を感じるあの挨拶がなくなったのです!これには私の方がびっくりしたかもしれません。「クソ」がつくくらい真面目だったのがあの言葉で、今まで空気が読めなかった彼が読んでくれるようになるとは思わなかったのです。このプチ事件により、注意がしにくいことでも、言い方次第で解決することもあるのだなとわかりました。一歩間違った言い方をすると余計に人間関係を悪くしかねないですし、ウィットにとんだ言い方ができればそれがベストなのではないかと思ったのです。また、これを気に私が良かれと思ってしていることで、相手を不快にさせていることはないかと考えるきっかけにもなりました。なかなか人から言われないと気付かないものなので、それとなく言ってくれる人がいればそれはありがたいなと思います。面と向かってはっきり言われるのは傷つきますもんね。

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